病院をはじめとした医療機関や、医療機器メーカー、製薬会社など医療に関連する商品・サービスを提供する企業の総称が“医療業界”です。
ここでは、医療業界とは具体的にどのような業界なのか、どのような企業で構成されているのかをくわしく解説しています。また、医療機器営業を含む、医療業界の営業の種類についてもまとめました。医療業界や医療機器業界の営業職に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。
以下に、医療業界を構成する主な分野として「医療機器メーカー・商社」「介護用品メーカー・商社」「製薬会社」「ヘルステック企業」を挙げ、それぞれどのような事業を行う企業なのかをまとめました。
医療機器とは、検査や治療に使用される各種機器の総称です。CTやMRI、放射線治療装置といった大型医療機器のほか、包帯や注射器などの消耗品類もあります。医療機器メーカー・商社は、主な顧客である医療機関に対し、こうした医療機器を提供します。
介護に必要な機器や消耗品を提供する介護用品メーカー・商社。介護用おむつや介護用ハブラシなどの日用品から、車いすやスロープといった用具類まで、幅広いものが提供されています。高齢化が進む近年、需要の高さから介護用品メーカー・商社は順調に売り上げを伸ばしており、今後も伸びていくことが期待できます。
医薬品の開発・製造を行う製薬会社。医療機関において処方される医療用医薬品のほか、主にドラッグストアに置かれている一般用医薬品もあり、企業により強みが異なります。兆単位の売り上げを出す大規模な製薬会社から、開発コストを抑えられるジェネリック医薬品に特化した製薬会社まで、その規模はさまざまです。
「ヘルスケア・医療」と「テクノロジー」の組み合わせにより、医療格差や人材不足、病気の予防といった医療・健康に関するさまざまな課題にアプローチする企業を、ヘルステック企業と呼びます。よく知られているヘルステックの一例としてはカルテの電子化が挙げられますが、ほかにも遠隔診療やバイタルの一元管理、介護支援ロボットなど革新的なサービス・機器が続々と登場しています。
医療業界の営業にもさまざまな分野があり、主には、以下のようなものが挙げられます。
MRIをはじめとした高度医療機器から、マスクや注射器などの消耗品まで、医療現場で使用される医療機器を顧客となる医療機関に向けて営業します。
医療機器の営業では、実際に機器を持ち込んでデモンストレーションするのが一般的です。一方消耗品類は、サンプルを渡して使ってもらう営業スタイルが主流となっています。
医師や放射線技師、看護師といった医療従事者のほか、決裁権を握る事務局長や院長など、さまざまな職員に製品をアピールすることが重要となるでしょう。
介護用おむつや介護用ハブラシといった消耗品類、車いすや介護用ベッド、移動用リフトといった機器類など、介護で使われるアイテムを営業します。
顧客としては、医療機関のほか介護用品を取り扱う販売店や介護施設に所属するケアマネジャーなども挙げられ、多岐にわたります。
ヘルステック企業が提供する、AIやITを活用した製品・サービスを営業します。たとえば、電子カルテやオンライン診療システム、画像診断システムなどが挙げられます。
顧客となるのは、主に医療機関です。
医療業界はもともと不況に強い特徴があり、これまでも景気に左右されることなく、成長を遂げてきました。医療機器業界に絞って見ても同様であり、今後も、高齢化による医療ニーズの高まりを背景に、成長を続けていくことが期待できるでしょう。
医療機器営業職への転職を検討しているのなら、今がチャンスかもしれません。
“たくさんの患者様の命を支えている”というやりがいを感じて働けることも、大きな魅力のひとつでしょう。既述のとおり将来性もある仕事なので、医療機器営業に興味があるならぜひチャンスを逃すことなく挑戦してみましょう!
当メディア「メディカルキャリア」では、医療機器営業のやりがいについて実際に働く方にインタビューしているので、医療機器営業という仕事に興味を持った方は参考にご覧ください。